汚染米という金の卵

事故米という甘い汁
 1993年のウルグァイ・ラウンド農業合意で輸入することを義務付けられたミニマム・アクセス(MA)の輸入米で、1995年から毎年平均6万トン輸入してきた。これまでの総量は900万トン近くになる。この内、保管中に水に濡れて黴が出たり、検査で残留農薬が出たりしたのが事故米と呼ばれている。国は年間数回入札を行って、輸入業者からMA米を購入している。1トン当たり10万円だから、年間100億円近い税金が使われている。さらに、保管費や管理費などに年間200億円使われているという。


 事故米の転売について、農水省は毎年平均20回も立ち入り調査をしてきたというが、帳簿の偽装を見抜けなかったと言い訳をしている。これはどう見ても、農水省と民間企業との間での癒着が想定される事態であろう。MA米の保管は民間企業の倉庫であるが、農水省の窓口は全国食糧保管協会という天下り団体で、これに全国で600の倉庫会社が加盟させられている。

 要するに保管するMA米が増えれば増えるほど、この協会に入る金が増える仕組みになっている。そもそも農薬で汚染された米を購入することがおかしなことであろう。どうやら輸入業者は無駄なコストを避けるために、農水省と合意の上、ベトナムや中国へ返還せずに、事故米として専門業者へ払い下げるという仕組みのようだ。

 かくして汚染米を食品業へ流すルートが密かに出来上がっていたようだ。税金を食い物にしてきた業者も許せないが、このようなことを未然に防げなかった農水省の甘い管理も絶対に許すことはできない。もう一つに疑問は、なぜこの時期に公表したかであるが、当然に内部告発が想定される。また、消費者庁を発足させる口実とも使われる。厚生労働省に続いて、農林水産省天下り団体も含めて、たたけばいくらでも埃が出てくる役所であろう。
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