ご都合主義の政治家たち

政策の横取り 問題のすり替え
 政治家は選挙になると、相手候補の政策やキーワードを横取りして平然としている。米国でも変化(change)を売り言葉にして民主党候補を勝ち取ったオバマ氏であるが、共和党のマケイン候補が、ここのところ同じ言葉を使いだしている。これに頭にきたオバマ氏は「豚が口紅をつけても豚に変わりはない」という、アメリカの古い諺を持ち出して対抗している。口紅は共和党の女性副大統領候補に対する当てつけともとられている。


 日本では「改革なくして成長なし」と絶叫していたあの人の構造改革なる言葉であるが、もともとは民主党が発足した時に党是として謳われていたものを横取りしたものである。権力を手中にすれば、かすめ取ったキーワードでも実現していく力があるから、いつの間にか「構造改革イコール小泉」となってしまった。

 長い間の官僚任せで安穏としていた自民党政治のボロが次々と噴出してきた。保険、年金、医療、福祉、農業、漁業の破綻に続いて、食の安全まで脅かされてきた。汚染米については自公連立政権の責任であるにも関わらず、総裁候補者たちは街頭演説で、まるで他人事のような発言を繰り返している。

 「危ないコメを前から調べていたが、対応できなかった。明らかに監督不行き届きだ」と現幹事長は語っているし、女性候補に至っては「農水省の人たちは何をしていたのか。怠慢以外の何物でもない。担当者に責任を取ってもらおう」と述べて、自分たちの責任を棚上げして、担当者のせいに矮小化するという臆面のなさである。

 すでに総裁選挙は決着しているかのように、次期総裁と思われている人は、対立しているはずの他の4候補者を閣内や党の要職につけると公言している。節操を変えないということは政治家の重要な資質であるはずだ。当選した総裁に簡単に取り込まれるような対立候補の政治家はますます信用できない。二人続けて総理の座を放り出したことを逆手に取った仕組まれたシナリオ選挙であることを自ら暴露している。
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