総裁選挙続き

モノ申す
 82歳の野中広務氏と言えば、2000年4月に森内閣の時に、現在の公明党との連立政権を作った自民党の元幹事長である。9月17日の毎日新聞に「もの申す」というインタビュー記事を見て仰天した。すでに政界を引退しているとはいえ、自民党に対する厳しい意見を述べているからである。


 まず、現在の総裁選挙について「5人も立って迫力、緊張感がなくなった。麻生さんのしゃべり方は受けるかもしらんが、党員が本当にそう思うかどうか。報道の仕方も問題がある」と述べて、この選挙戦を批判している。

 もっとも激しくやり玉にしている対象は当選確実とみられている現幹事長に対するもので「人権を踏まえた視点がありますか。華麗な家柄だけど、人を平等に考えない。国家のトップに立つ人として資質に疑問がある」とまで述べ、さらに「安倍晋三前首相と福田康夫首相が辞める時、2度とも事前に打ち明けられたのに、善後策も講じないで一番先に自分が手を挙げた。幹事長の職責が分かっていない人だ」と総理としての資質まで問題としている。

 政策については「構造改革路線だった人が、景気回復を具体的にどうやるのか。経済対策をやりますと言うだけでは駄目だ。補正予算を成立させて、年末年始の地方議会に間に合わせないと国民に浸透しない。臨時国会冒頭解散なんてやったら、すぐはげて、深い傷を負う」としている。その他、民主党とのこと、他の総裁候補者についても意見を述べている。政界を退いているとはいえ、これだけ自民党に対して率直にモノ申す人はいない。それだけ自民党を愛している人と思う。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080917ddm005010009000c.html