システムの腐敗と崩壊

独裁政権の腐敗と崩壊
 中国の最高人民検察院は日本の最高検に相当するところであるが、昨年までの5年間に20万件を超える汚職事件を立件したことが、今年3月の全国人民代表大会で報告されている。この中には司法関係者、即ち現職の検事、判事、弁護士もおり、年間で500人ほど汚職により捕まっているという。司法の近代化を進める過程での苦しみと同情することもできるが、共産党独裁政権下の腐敗とも受け取ることもできる。
 
 歯磨き粉や餃子に始まり、乳幼児の粉ミルク汚染まで、次々と明らかにされる食品関連の安全性の問題が俎上に載せられてきている。これだけにとどまらず、大手食品メーカーが販売するミネラルウオーターは実は水道水だったことまで判明して、水源門事件と命名されている。日本では地下水を原水とするものでなければミネラルウオーターと表示できない。中国ではペットボトル入りの水は水道水と思わなくてはならない。

 日本でも食の安全に関する事件が続いている。食品の生産地や賞味期限の偽装に続いて、事故米という汚染米の転売による食品への混入事件である。中国のことを笑えないというが、こちらの方が実はもっと悪質ではないかと思う。何故ならば、監督官庁と関連業者が繋がっているし、巧妙なる転売というローダリング、即ち出所を洗い流すという洗濯手法が使われているからである。

 中国では共産党という一党独裁化でのシステムの腐敗が原因と思うが、日本でも自民党という長年の一党準独裁政権下で積み重なった官僚と政治化の癒着によるシステムの腐敗と崩壊がもたらした結果であるように思う。同じ人や同じ組織が長年にわたり権力を持つと、なれあいによる癒着や腐敗によって、様々なシステムが歪んでしまうというどこの国でも共通する法則に当てはまるようである。
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