日曜日の嵐

金融危機
 今年の春先から特定の日曜日に、NYのウォール街で嵐が吹きまくっている。その嵐を収める対策が打たれるが、その効果の持続期間はだんだんと短くなってきている。今月はもう残すところ日曜日は28日だけであるから、平穏に終わることであろう。むしろ、今月14日の嵐の後始末で政府が議会に提案している75兆円の金融安定対策の承認の見込みがつくかもしれない。
 
 時系列的に日曜日の嵐を整理すると、下記のようになる。
3月16日:証券会社第5位のベア・スターンズ社が破綻しかかって、FRBが3兆円超の緊急支援を実施して、メガバンクJPモルガン・チェースが買収した。
7月13日:財務省FRBが住宅抵当公社2社に対して、緊急支援を発表した。
9月07日:財務省FRBが住宅抵当公社2社に対して、事実上の国有化宣言をして救済した。
9月14日:証券第4位のリーマン・ブラザーズが破綻した。証券第3位のメリルリンチメガバンクのBank of America(BOA)が救済した。保険業の最大手AIGの支援を財務省が決定した。

 ブッシュ大統領は75兆円の金融安定対策を議会に提案しているが、ウォール街で金もうけのためにしていた企業の支援を税金ですることに対する拒否反応が出ている。また、失敗したらお上が助けてくれるというモラル・ハザード、即ち経営倫理欠如の問題もある。次期大統領候補の二人をワシントンに呼びつけて、直接に大統領から支援を要請するようだ。

 10月に予想されているストームは10月19日の日曜日で、中旬にはメガバンクの決算が出されるはずであるが、リスクのある資産を自己資産の2倍近くを抱えるシティグループの決算に注目が集まるものと思われる。メガトン級のハリケーンに成長しないことを祈るのみである。
http://iiaoki.jugem.jp/