国益を考える

日本外交の弱さ
 就任早々、決められていた日程通りにNYでの国連総会で一般演説をした。せっかくのジョークも当人だけが笑顔で得意がっていたが、会場には英語が通じなかったのか、白けたムードだったようだ。内容も米国のメディアではほとんど無視されている。それどころか、この演説とは別に、NYタイムズでは社説として、首相としての適格性を批判する記事が出されている。


 もともと日本に対しては厳しい内容の記事を載せる新聞ではある。それにしても、たとえ内容が真実かもしれないが、日頃から外務省の外交官は何をしているのか疑われてしまう。外交官は国益を目指して仕事をするべきであるが、いつも日本の国内ばかり気にしているのであろう。

 記事の内容は、アジアにおける日本の立場にふれて、新首相は喧嘩好きな国粋主義者と断じて、中国と韓国との関係を悪化させてきた人としている。外相時代には、戦前の日本の植民地政策の成果を礼賛して、それらの国が現在、発展しているのもその政策のおかげと発言したことを取り上げている。

 駐在先のメディアとの関係を良好にするのも外交官の重要な役割と思うが、就任早々、このような悪意のある記事を書かれているのは、日本としての国益に影響することであろう。在外公館での華美な暮らしや不正蓄財事件まで起こして来ている外務官僚や外交官の在り方を改めて考えさせることである。
http://www.nytimes.com/2008/09/25/opinion/25thu3.html?_r=1&scp=4&sq=Japan&st=cse&oref=slogin
http://iiaoki.jugem.jp/