自動車業界にも公的資金

GM救済策
 金融危機の話に隠れて米国のメディアでも目立たない記事となっているが、自動車業界へ3兆円近い公的資金投与が米国下院で承認されている。証券会社や銀行救済とは比べようもない僅かな資金と業界関係者は述べている。名目はあくまでも、低燃費車の技術開発であるというが、経営難にあるGMなどの自動車業界の救済措置であることには変わりはない。


 かっては「GMにとって良いことは米国にも良いことだ」とまで言われるほどに、その存在感を発揮していたが、1970年代のオイルショック、1980年代の日本車の攻勢にさらされてきて、環境対策などの技術開発力を失い、2005年ごろから急速に経営が悪化してきている。現在の株式時価総額トヨタの20分の1にまで落ち込んでいる。20年前には100ドルだった株も、現在では10ドルをきり、2008年度の赤字が5兆円とも予測され倒産寸前とも推測されている。

 先日デトロイトでは創業100年祭が催され、歴代の名車のパレードがデトロイト市内で行われたが、華々しいイベントの割には盛り上がりに欠けていたと報道されている。GM、フォード、クライスラーという大手3社はビッグ・スリーと呼ばれていたが、今ではこの言葉も捨てられて、デトロイト・スリーと呼ばれているようだ。トヨタとホンダの日本メーカーが3社の間に入り込んでいるので、デトロイト地区のローカル・メーカーになったという意味であろう。

 日本車といえども、やがては同じ運命が前途の待ち構えていると思われる。ガソリン資源の枯渇と高騰時代を迎えて、電池を中心とした21世紀にふさわしい自動車の開発競争に勝ち抜く競争が始まっている。
http://iiaoki.jugem.jp/