バブル処理の経験

公的資金注入の経験
 「日本は資本投入をやって、結果として金融危機をくぐり抜けた。G7で日本の経験として堂々と語ることができる」と首相が述べ、また、日銀前総裁は「問題処理の本質はかっての日本とまったく同じ」と説明して、金融危機の対応については先進国との立場を強調している。はたして、日本がバブルを成長させ、バブル崩壊後の処理にもたついていたことを棚に上げて、それほど偉そうなことが言えるのであろうか。
 
 日経平均株価は1989年12月29日に38915円の最高値をつけてから、最安値は2003年4月28日の7607円であり、実にこの間14年という歳月を経ている。最高値から現在まで20年近くなっている。政府が具体的に公的資金の投入を最初に決定したのが1998年3月で、大手銀行や一部地銀に対して総額1.8兆円の公的資金が投入された。これはほとんど効果がないまま、この年の7月の参議院選挙で自民党は惨敗して橋本内閣は退陣に追い込まれた。その後、10月に金融再生法案は民主党案を丸呑みして成立した。

 これを見ても、バブル崩壊後の処理に、日銀と自民党政府はいかに無策であったかが理解されるであろう。このバブルの後始末プロセスで、国家と国民に多大な損失をもたらした官僚と政治家は万死(ばんし)に値すると思う。米国に指南する前に、日本国民に対して謝罪すると同時に、国民に与えた損害を補償すべきである。
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