金融収縮からの脱出

レバレッジ
 巨額の借金で投資してきたサブプライム証券化商品、その他の証券化商品、CDSなど金融派生商品が大幅に値下がりした。投資家や金融機関はそれらを売却するか、目減りした分を償却しなければならない。借金を返済して、不良資産による損失で失われた資本を増資によってもう一度増強することをデレバレッジdeleverageという。
 
 価値の下がった商品の多くは買い手もなく、売ろうとすれば、資産の価格が値下がりする。そのため、さらに多くの資産を売らなければならなくなる。デレバレッジがこうして悪循環を生みだす。多額の損失を出した金融機関の株価は下がり、増資による資金調達も難しくなる。資産デフレの悪循環が起きて経済は不況に陥って、株価は暴落する。

 こうなると、この悪循環から脱出するには、公的資金の投入しか道はない。金儲けしてきた連中を救済するのはけしからんと、アメリカでブッシュ法案への反対運動が起きたのは当然であるが、金融市場の崩壊を支えるには、やむを得ない措置であろう。実体経済という庶民の懐を守るための緊急措置である。公的資本投入のほかには、利下げなどの金融政策、貸し渋り対策、減税による財政政策などが挙げられている。

 今年の春先には、ダウ平均10000ドル、日経平均10000万円との予測を見たことがあるが、このまま手をこまねいていると、それぞれ7000ドルと7000円という底が待っているかもしれない。南無阿弥陀仏という感じだ。
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