有効な株価対策は解散

首相の経済センスと失言
 10月7日の衆院予算委員会で、今回の金融混乱による株式暴落について「1929年の大恐慌の匹敵する」と首相は発言した。欧米のトップはこれだけは禁句としていたが、首相はあっさりと認めてしまった。これ以降、日経平均は1万円を割り、連日ずるずると降下してしまった。


 経済の麻生を売りにしているようであるが、この一言をもってして、化けの皮が剥がれて経済無策の麻生となってしまった。それからも「一喜一憂するつもりはない」とか「今の日本経済が悪いという状況にない」などと言って、挙句の果ては「日本が米国に代わり、国際協調でリーダーシップをとらないといけない」などと見当違いなことを語っている。

 日本が期待されていることは、米国が公的資金ねん出のために、米国債を増発したときに、真っ先に買手になることだけである。現在でも世界一の保有高であるが、これ以上、リスクの高いドルをつかまされる羽目になり、日本はドルとともに崖っ淵にまで追い込まれかねない。解散選挙よりも景気対策とか言って、定率減税、住宅ローン減税、証券優遇税制など90年代にさんざん実施して、何も効果が得られなかったバラマキ選挙対策を発表している。

 これらは将来につけを回して、消費税をはじめとする増税路線につながることは目に見えている。政権延命工作のような経済対策を実施しても、官僚機構や族議員をはじめ、これまでのシステムを温存している限り、焼け石に水である。緊急市場対策として、空売り規制、株式取得機構の活用、公的資金注入枠の拡大などを打っても、全く株価下落には効果はなかった。

 これに対しても首相は、経済無知をさらして、効果はすぐには現れないと語っているが、株価は半年先のことということから、すぐに効果の出ない対策は対策とは言わない。解散総選挙が最も効果的な対策のように思える。

 100年に1度の危機であるから、この際、既得権益をばっさりと切り捨て、外需依存、米国追随の市場原理主義から離れて、農業漁業、中小企業の健全化につながる内需拡大策をとり、医療福祉などの社会保障政策を充実させ、教育投資や技術研究開発などに取り組むことが重要である。
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