さらなる官製不況

新たな官製不況のネタ
 経済の悪法3Kといえば「貸金業法改正」、「金融商品取引法」、「建築基準法改正」である。立案した当事者たちはいいと思っているようであるが、これらは法律で景気の足を引張るために策定したようなものである。官製不況とか霞ヶ関不況といわれる由縁だ。


 そしてさらなる法律で景気の足を引きずろうとしている。まず薬事法の改正で、これが完全施行されると、風邪薬なども対面販売が原則とされ、ネットではビタミン剤や整腸剤ぐらいしか売れなくなってしまう。厚労省はこのネット時代に、時代錯誤的な規制を行おうとしている。その大義名分は「消費者の安全と健康」であり、薬害被害を将来にわたって起こさないためという。

 対面販売の定義には、薬剤師や販売資格保持者がネットを通じて消費者とやりとりし、商品を販売する行為は含まれていなかった。医薬品をネット販売している事業者の楽天ケンコーコムの大手はもとより、多くはネットでショップを開設して販売しているから、地方の消費者などに薬を販売する町の薬局と同じ機能をしている。

 もう一つは割賦販売法の改正で、これによると、専業主婦や学生など収入の少ない低所得者はクレジット・カードが持てなくなるという。現在、カードの発行枚数は約4億枚で、利用額は年間40兆円という。カード利用が10%減ると、4兆円の消費減だから大きい。もともとは違法な信販会社を取り締まり、消費者保護を目的としてこの6月に成立した法律である。

 利用額も年収の20%程度に制限されると、年収400万円では年間80万円となる。クレジット・カードの発行が制限されたり、利用限度額に上限が設けられると、カードの使い勝手が悪くなり、ものの購買力が落ちることは目に見えている。過度な消費者保護がどれほど消費を低迷させるか、霞ヶ関は十分に認識しているはずであるが、現場を知ろうとしないお役人行政は後を絶たない。
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