世界の潮流

世界潮流2025
 米国の国家情報会議(NIC)は世界情勢を予測した報告書「世界潮流2025」を公表している。これによると、現在の国内総生産GDP順位は米国、日本、ドイツ、中国、英国、フランスであるが、2025年には米国、中国、インド、日本、ドイツ、英国、フランス、ロシアと予測している。


 依然として、米国がトップであることには変わりはないが、アジアでの中国とインドの経済躍進により、欧米中心の富と経済力が日本も含めてアジアへと移りつつあることを示している。このため、世界は多極化へと移行して、米国は支配力を減じ、西側同盟の影響力は低下する恐れがあると警告している。しかしながら、EUは現在でも、米国に次ぐ経済力を保持していることから、米国とEUとの西側同盟は依然として世界をリードしているであろう。

 ここで問われているには、むしろアジア諸国の同盟であり、欧州連盟とまではいかなくても、日本、韓国、中国、ベトナム、インドの間で通貨や経済を通じて、アジア同盟を構築することで、米国、欧州を上回る影響力をつけることができる。

 報告書では日本の外交政策として、<1>中国の経済成長が続けば良好な対中関係を維持<2>中国が域内各国に敵対的になれば東アジアの民主国家や米国とともに影響力を行使<3>安保面で米国の対日貢献が弱まれば中国に接近<4>米中の政治・安保協力が顕著になれば、その傾向に追随などとする四つのシナリオを提示しているが、これはあくまでも現在の日米同盟を前提とした議論から出てくることであろう。日本は米国よりも、アジアよりになっていることと想定される。そうなると、新たな日本の地位が生まれていることと思う。
NIC:National Intelligence Council
http://iiaoki.jugem.jp/