株価対策

株価対策とは
 政府も証券会社も団塊の世代の退職金目当てに、今年の春ごろは、さんざん投資を煽っていたが、これに乗った人々は株価暴落で大損害を蒙っている現状である。もちろん投資は自己責任が原則であるから、個人の損失のつけを回すところはない。暴落した株式を手放して損失を確定することは、心理的に難しい。だから、このまま塩漬けにしている人も多いと思う。


 海外の投資家は、現在、東証一部の株式を60%占めている。これ以上の日本株の下落を防ぐためには、外国資本が逃げ出さない対策を講じなければならない。これに対しては、政府としても手を打つことができる。ところが、政府の株価対策は的外れなことをしている。

さすがの金融大国米国でも、時価会計の対象から株式を外す方針を出して、企業が株式を手放さないようにしているが、日本では時価会計の対象にしたままであるから、損失が酷くならないうちに、企業は早めに株式を売らなければならない。

 金融庁の空(カラ)売り規制はいいのだが、その内容が問題で、実際には通常の信用売りにブレーキをかけている。空売りした社名、投資家名、住所、空売り残高などが東証のHPで公表される仕掛けである。

外国人投資家は空売りを多用するが、当然に後から必ず買い戻す。外資系は名前が公表されることは、手の内がばれるので敬遠することになる。割安な銘柄を買う通常の信用取引まで阻害されてしまう。

 さらに、金融庁空売り規制の第2弾まで出すというから、これではますます日本から逃げ出していく恐れがある。これによると、証券会社に株の手当の確認を義務付けるというものである。株の手当のない空売りを防ぐ目的で、証券会社は空売り注文をしてきた相手に調達先を確認し、その記録の保存を義務付けることとなる。

空売りを注文してきた相手に、どこから調達してきたかを確認することであるが、投資家は同じ企業の株でも、あちこちから調達しているから、実質的には、これでは投資家は逃げ出すだけである。株価対策といいながら、これでは株価を暴落させる対策といわなければならない。経済通を自称するマンガ首相には理解できないことだろう。
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