国籍法の改悪

国籍法の改悪
 最高裁は本年6月に、国籍法3条1項の帰化による国籍取得は、憲法14条1項の法の下での平等原則に違反するとした判決を出した。さらに、国籍取得の条件を同じ判決で言い渡した。この判決には重要な問題点が二つあり、一つは、「日本人の片親の認知のみで子供は日本国籍がもらえる」ことであり、もう一つは、判決文で、国籍取得の要件を述べていることである。


 第一の問題は、DNA鑑定等の科学的根拠が不要で、日本国籍の取得が容易かつ無制限に可能となり、認知のみで未成年の子供に国籍を与えると、認知を買うという犯罪が成り立つことである。しかも、事前審査なしで、受理時点で直ちに国籍は付与されるという国籍法の改悪である。

 第二の問題は、国籍取得の要件は行政機関が法律にのっとって判断することは、三権分立の思想から言うまでもないことであるが、この判決では司法である最高裁が、行政機関を指導する立場を鮮明にしたことで、まさに、最高裁判所の権限の逸脱行為と言うことができる。少数意見ではあるが、このことを認めている最高裁判事もいることが救いである。

 この判決により次のような恐れが指摘されている。人身売買・児童買春などの悪質な犯罪に利用される可能性が高い。 日本国籍を持つべきでない者に対してまで不用意に国籍を付与するため、治安の悪化、国防を脅かす恐れが大きい。収めてきた税金や年金を、不適当な者の生活保護のために使われる恐れがある。以上のことを踏まえて、参議院では慎重な審議が望まれている。
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