ビッグスリー救済

過ちを犯した
 第2回目のビッグスリー首脳による、米上院の公聴会が開かれて、その席上で、GM会長は証言陳述書で「われわれは過ちを犯した」と述べ、燃費の良い環境対応車などへの投資が遅れたことを認めた。3社は総額で3兆2000億円の公的支援を要請している。
 
 すでにオバマ次期大統領は支持を表明しているとおり、民主党は「わが国経済と労働者を守るため、国内自動車メーカーを助ける措置を取る必要がある」と強調しているが、ブッシュ大統領をはじめ共和党は「ビッグスリー救済には反対だ」と述べている。ただ、自動車企業は米軍とも関係を持っているから、そう簡単に潰せない理由がある。

 3社を合わせても株式時価総額トヨタBMWにも及ばないところまで来ていて、市場は見放していることは明白である。しかしながらビッグスリーが破綻したら、関連企業も含めて500万人にも及ぶ労働人口が放り出されることから、米国経済は底割れすると想定されている。北米での日本の部品メーカーの売上高は年に4兆円にも達していることから、日本への影響も大きい。

 救済したとしても、これまでの経営者のマインドから判断しても、ビッグスリーが立ち直るには難しい道が残されている。米国の鉄鋼産業は日本や欧州のメーカーからの支援策で何とか生き延びて来ていることから判断すると、ビッグスリーはプライドを捨てて、実質的な生存方法を模索すべき時であろう。腐ったクジラを生き返らせることは容易ではない。

 妥協案はとりあえず要求額の半額を認めて、次期政権へ引き継ぐことで決着を見るようだ。いざとなったら、アメリカも日本流に問題を先送りすることでしか解決策を見いだせないことが分かったようだ。
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