F1からの撤退

ガソリン内燃機関の終焉
 自動車レースの最高峰F1から、今シーズン限りで撤退するとホンダが発表した。ホンダにとってF1は創業者本田宗一郎氏の始めた重要な事業で「うちのDNA」と社長が語っているとおりである。二輪車メーカーのホンダが4輪でも成功した技術の背景でもあった。

 F1費用は年500億円規模で、営業利益の10%にも相当する。「F1に注いできた経営資源や人材を新しい分野に振り向けるべきだ」と撤退を決断したという。マシーンの開発に従事する国内の技術者400人は低燃費車の開発などに回す方針だ。

 自動車は主として車体とエンジンで構成されているが、現在のエンジンの原型は19世紀後半にドイツで作られた。それから120年以上の技術的な改良の歴史を経て、現在に至っている。F1で使われているエンジンも内燃機関としては、ほぼ究極の技術に達しているといわれている。ということは、これ以上にガソリンを燃料として使う構造の進歩は、金をかける割には得られないとも想定される。

 この時期での撤退が好判断かどうかは歴史が決めることであるが、ガソリンを使う内燃機関から、水素や電気などの他の動力源へ移行する絶好の機会なのかもしれない。
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