6カ国協議

6カ国協議
 2003年8月に北京で第1回目の会合が開かれて以来、5年あまりに渡って延々と続けられてきているが、いっこうに成果が上がらぬまま今回も終了した。北朝鮮以外の5カ国はそれぞれ立場が違うから、その異なる状況につけ込んで、あの手この手で会議を振り回してきた北側の外交手腕には感服する。

目的は朝鮮半島から核兵器にかかわる施設を廃絶することであるが、最大の交渉相手である米国の足元が絶えずぐらついていては、目的を達成することは不可能であろう。


 日本は拉致問題を抱えているから、なおさらこの中での位置づけが難しい。他の4カ国は拉致には一応は同情しているそぶりを見せるが、基本的には日本と北側との問題としているからだ。とうとう米国は譲りに譲って、テロ指定国家解除まで出してしまった。これを見ると、日本は米国に従わなければ生きていけないとの足元を見られている気がする。事実、これに対して日本政府の抗議は極めてよわよわしいものであった。

 この際、日本としては、いつまでも曖昧な態度をとり続けるのではなくて、次の3点を頭に入れて、この交渉に臨むべきであろう。一つは、拉致問題の進展は今後一切ありえない。二つ目は北朝鮮は絶対に核兵器を手放さない。三つ目は米国の態度は当てにできない。この三つの前提にたって、戦略を検討して、腹をくくって交渉に臨むべきである。
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