ドルの行く末

ドル排除の連合
 原油価格は6月の1バーレル140ドルをピークとして、現在は40ドルを切る3分の1にまで低下した。このような激しい価格の変動はドル価値の変動がその原因となっているところが大きい。1ドルが90円を割り込むところまで円高が進み、ドルへの信頼が落ちている。さすがの新興国でもドルを否定する動きが出て来ている。


 石油輸出国機構OPEC加盟国では、ドルへの疑問が噴出している。ブレトンウッズ体制でドルは金と交換する仕組みができたが、1971年のニクソンショックで、ドルは金と交換できる兌換紙幣ではなくなっている。その後も国際通貨としてのドルはその地位を維持してきたのも、原油がドルで売買されることが大きく寄与している。

 現在、開かれているOPEC総会では、このような急激な原油相場の下落を止めるために減産が検討されると同時に、ドル建てでの売買についての見直しも話し合われているようだ。現加盟国は13カ国で中東諸国を主体として、アジアではインドネシア、南米ではベネズエラ、アフリカではアルジェリア、ナイジェリアが参加している。大陸にまたがっているため、原油取引の新通貨と言っても、そう簡単にはできないが、中東諸国を中心とした新しい通貨が発足する可能性がある。

 現在でも米国の国債を1兆ドルも抱えている日本であるが、さらに、オバマ新政権の経済再生チームが検討している総額5兆ドルにもなりかねない資金の調達では、日本や中国を頼りにしていることは明白である。このままでは日本はドルを抱えて心中することにもなりかねない。ドルと円との関係をどうするのか、今後の日米関係も含めて政府は緊急に方針を出すべきである。
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