ガザ紛争の背景

中東軍事行動の怪
 イスラエル軍パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスの拠点施設などへの空爆を続け、地上部隊がガザに侵攻を開始した。イスラエルの国防相は国会で「ハマスとの全面戦争に入った」と述べている。


 中東での戦争はこれまでにも幾度となく繰り返されてきている。宗教と人種の対立の背景には、必ず原油価格が絡んでいて、紛争の歴史を詳細に調べてみると、必ず価格との関係を見つけることができる。昨年の価格の高騰と暴落した現在の価格の差を見て、何らかの紛争を予見していた人もいるようだ。

 国連安保理は緊急会合を開いた。アラブ諸国を代表してリビアが、即時停戦を求める議長声明採択を要求したが、米国が反対し協議は物別れに終わった。このことから、政権末期のブッシュ政府の狙いを次のように推定することができる。この紛争により、少しでも原油価格を引き上げて、財布が薄くなった中東諸国を潤し、下落したドルの価値を負担してもらいたいということであろうか。

 さらに、イスラエルにはロシアから多くの移住者がいて、彼らはロシアとの強力な関係を維持しているから、ロシア政府の立場も今では必ずしも反イスラエルではなくなっている。日本から遠く離れた地域の紛争には日本はあまり関係がないと思う人も多いが、グローバル化の状況から、黙視することはできない。ここにも国際関係に翻弄される日本外交の弱さが表れている。
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