経済チーム

新大統領の経済政策
 新大統領の経済チームを構成するメンバーは一流の経済学者たちである。90兆円の予算で300万人の雇用創出という政策に対しては、大きな政府を志向する危険な政策という批判がある。これに対して、現状では大きく行きすぎる方に間違えるリスクは小さすぎるよりましだと、メンバーの一人であるサマーズが返答している。消費拡大のために税金を投入すべきとの意見には、そのような短期的な政策をとらずに、潜在成長率を高める長期的な投資を実施するとも言う。


 じたばたとバラマキ政策で四苦八苦した日本の経験をよく勉強していて、絶対に日本の轍は踏むまいとの決意表明にも受け取れる。日本では経済の理念や原則抜きにして、その場しのぎの金融や財政政策で、なんとかバブル崩壊の混乱を切り抜けてきた政治家や官僚ばかりだから、経験主義のとりこになっている政治家や官僚が多い。経済学は役に立たないものの代表選手みたいになっているから、経済学の本など一冊も読んだことがないことを自慢話にしている日本の政治家に、経済の手綱が委ねられている。

 実は学問の中で経済学ほど進歩の速いものはない。世の中の実際の経済の動きが速いから、経済の学問そのものも変化せざるをえないのであろう。だから大学で教養として学ぶ程度の経済学では、確かに役に立たないといえるかもしれない。現代のマクロ経済学の世界は確かに数式が多くてとっつきにくいが、経済を語る政治家も、多少は勉強する価値があると思う。
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