給付金のドタバタ

定額給付金
 発想の元をたどれば、景気対策に名を借りた公明党の集票対策であったから、これに応じた自民党内でも意見が統一されていないことは致し方がない。それにしても、これに関しても首相の口から出る支離滅裂な説明では、誰も納得する人はない。釈然としないとか、見苦しいという形容詞でしか表現できない。
 
 17名の大臣ですら、受け取るとか受け取らないなどと言って、閣内不統一をさらけ出している。攻める民主党も、貰う貰わないではなくて、景気対策として効果があるのかどうかの本質的な質問を展開した方がよい。総額2兆円が死に金になるか、生きた金になるかの議論である。配布経費として1000億円かかり、実際の消費に回る金は5000億円足らずというのが大方の推測である。これではGDPにして0.1%の押し上げにもならない。

 需要というパイが収縮しているのであるから、消費という一過性のことではなくて、このパイを将来に渉って膨らませるネタに使えば、2兆円は乗数効果で10兆円にも20兆円にもなる可能性がある。国会の貴重な論議の場をこれ以上、浪費することは止めにして、雇用問題も含めて、いま日本は何ができるのか、何をするべきかの大乗的な論議をしてもらいたい。

 あまり日本では知られていないが、昨年の春にブッシュ政権は1人当たり300ドルの給付金バラマキをした。納税者と年金受納者に対して、書類を発送して10月末までに所定の手続きをすれば、受領できるというものであった。手続きをするかどうかは、個人の判断に委ねられていた。

 日本人でも米国から年金を受けている人にまで、書類が届いたと聞いている。方法としては極めてスマートであり、日本のような馬鹿な論議はしていない。どの程度の人が手続きをしたかどうか不明であるが、秋の金融ショックにかき消されて、効果はほとんど見られなかったようだ。
http://iiaoki.jugem.jp/