官僚国家

天下り容認の抜け穴
 改正された国家公務員法によると、天下り再就職等監視委員会が承認しないとできないことになっている。ところが野党がこの監視委員会の人事承認を拒否したため、官僚の天下りができなくなった。困った霞ヶ関は「監視委員会の委員長等が任命されるまでの間、内閣総理大臣が権限を行使する」と定めて、これを内閣で政令として承認させてしまった。


 これでは各省庁が権限を行使する元の制度に戻ってしまった。さらに悪のりしてこの政令には「元職員でも必要不可欠な場合は斡旋できる」という規定が忍び込まされ、天下り後の再々就職を斡旋する渡りまでも公認されてしまった。

 天下り廃止を決めた公務員制度改革政令によって骨抜きにされたが、法律と矛盾するこの政令はルール違反であることは明らかである。法律で「監視委員会が行なう」と明記されている権限を、政令で首相に変更するのは、法治国家の根幹にかかわる違法行為である。

 このような霞ヶ関の横暴を許す首相も問題であるが、要は法治国家の根幹にかかわる問題であろう。派遣労働者の雇用問題が取り上げられているが、正社員の頂点に立つのは、何も生産しないで、税金から高給を食み、80歳まで終身雇用を保障されている高級官僚たちであろう。このまま公務員優遇制度を放置していては、この国は救われない。

政令: 内閣が定める命令。政令および規則の内容は、執行命令(法律を執行するために必要な付随的細目規定を定めるもの)、委任命令(法律の委任に基づいて法律の内容を補充し具体化する定めをおくもの)に限られている。なお、政令および規則の形式的効力は、全て法律に劣ることとなる。
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