デトロイト自動車ショー

世界最大のオートショー
　北米国際オートショー (North American International Auto Show, NAIAS) はデトロイトで毎年1月に開催される国際自動車展示会で、世界5大モーターショーの一つである。ビッグスリーの経営危機の中での開催であるから、おひざ元でのショーは注目されている。開催場所のコボセンターはデトロイトの中心街で、現在のGMの本社のすぐそばである。カナダとの国境の川淵にあり、寒い時にはこの川は凍りついている。

　日本からは日産や三菱が参加を取りやめたと報じられているが、今年の注目はズバリ電気自動車であろう。自動車の発達はエンジン開発の歴史そのものである。そのエンジンが電気モーターに変われば、自動車は本質的に変質してしまい、冷蔵庫、テレビ、洗濯機と同じ家電製品となる。そうなると、自動車は本来の自動車会社以外の電機会社、製鉄会社、化学会社などどの会社でも生産できることになる。

　新大統領のグリーン・ニューディール政策の方向にそって、自動車会社以外による電気自動車関連システムが今年のショーの最大の目玉となっているようだ。ビッグスリーにとっては、従来の自動車会社のイメージから脱皮する絶好の機会であろう。昨年の金融危機は、自動車の再発明という産業構造の転換を引き起こす契機であったことが後世に証明されることとなろう。
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