歴史の真実
大河ドラマの真実性
NHK大河ドラマは幕末の篤姫から戦国時代の直江兼次となった。民放各社が経営難から金をかけて番組が作りづらくなってきているので、この分野でのNHKの優位性は動かなくなってきた。史実に則ったドラマではあるが、お茶の間向けにかなり話が作られているから、これで歴史を理解したと思うと大間違いである。
例えば、江戸城の無血開城が、まるで天翔院篤姫の差し金で勝海舟と西郷隆盛との会談がセットされたことで成功したかのように描かれているが、あまりにも篤姫を誇張しすぎていると思う。
天翔院篤姫も今年の越後藩の主人公直江兼次も、高校の日本史の教科書ですら、取り上げられていない人物である。この人物を大河ドラマの主人公として、1年間にわたり毎週に日曜日に放映するのであるから、話はかなり誇張されたものとならざるおえない。
もっとも、歴史はかなりの部分が勝者の手によるものとなるから、本当の歴史などは後世には残らないものかもしれない。歴史ものを多く執筆している小説家吉川英治、司馬遼太郎、黒岩重吾などの作品も、小説としては面白いかもしれないが、それがすべて真実かどうかは不明である。過ぎ去ったことは、たとえ10年前のことすら記憶は曖昧であるし、真実の姿は見えなくなることが多い。歴史とはそのようなものとしてとらえるべきものであろう。
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