ビジネス書

GMの経営哲学
 経営に関するビジネス書は掃いて捨てるほどある。どれを見ても大差はなく、たいていは当たり前のことしか書かれていない。数ある経営の書物で、長年にわたって評価されてきたものは、2005年に亡くなった現代マネジメントの父と言われるドラッカー教授のものに尽きる。日本のコンサルタントが書いた本の大部分は、教授の書物からの焼き直しである。
 
 教授の思想の基本は「企業は衰退する」という哲学と思われる。これは永遠にトップを続けることはできないとも読み取れる。これらの基本は教授がGMの経営診断をしたことから得られたものという。基本は三つの提言としてまとめられている。一つは「人の作った組織は常に陳腐化する」というものである。二つ目は「労働者が自ら品質管理の意識を持つこと」という。三つ目は「企業は社会的責任を取るべきである」ということだ。

 過去、GEでもIBMでも経営危機になったが、米国の企業は危機に陥ると、ドラッカー哲学を取り入れて、経営陣を一掃して不死身のように生まれ変わるものと思っていたが、自動車会社は別物のようである。経営的に瀕死の重傷状態に陥っているGMであるが、70年にわたり世界一の自動車メーカーとしての慢心と過去の成功体験に胡坐をかいてきた付けが現在のGMを苦しめていることが理解される。

 ドラッカー哲学の名言のいくつか
・常識は時には間違った判断をする。
・過去の成功体験を頼りにすると破滅する。
・経験に捉われず、白紙の状態で課題に挑む。
・売り込みを不要にすることに、マーケティングの狙いがある。
・先は予測できないが、切り開くことはできる。
・誰もが説明責任を負っている。
・定石ではなくて、状況をもとに戦略をたてる。
・人材は無限の可能性を秘めている。
・人を動かすには、まず相手を知ることが重要である。
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