経済学の話

経済学はどこに
 アインシュタイン博士が天国で学者の家を訪問した時に、いろいろの分野の学者に紹介された。「こちらはIQが180の方です」、すると博士は「素晴らしい、一緒に数学を論じよう」と答えた。次にIQが150の人には「物理学を考えよう」、IQが100の人には「文学の話でもしよう」、IQが80の人には「経済学でも語りたい」と反応した。


 以前に読んだ学者のジョーク集に出ていたものである。ずいぶんと経済学を貶めた話である。ノーベル賞で日本が唯一獲得していないのが経済学賞であるが、日本人は経済のようなレベルの低い学問に熱心になる人がいないとか、最近の経済学は高度な数学を駆使したもので、たとえば現代のマクロ経済学変分法偏微分方程式を使っている。それでも数学のできない人が経済学部を志望するからとか言う説がある。しかし、その真偽のほどは分からない。

 米国は原理原則の国であるから、経済学者が政権の中で用いられているが、日本では金融や財政を司っている政治家や官僚は経済学を勉強しないことを自慢にしている人が多い。彼らが頼りにしていることは、経験経済学とか台所経済学というようなレベルのことに思える。経済大国と言われながら、真の経済学者が育たない不思議な国である。

 かくして、彼らから提案される政策が、定額給付金政府発行紙幣無利子国債というような、思いつきやゆきあたりばったりみたいな話ばかりとなる。この程度のレベルのことに時間を費やしていては、日本の景気回復は遅れるばかりである。金融崩壊の解説記事の本を書くことも重要であるが、心ある経済学者はもっと積極的に政治に首を突っ込んでもらいたいと思う。
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