新たなビジネスモデルの構築

日本式ビジネスモデルの崩壊
 国内新車販売数が前年同月比で20%減、大手デパートの売上高は15%減、粗鋼生産高は30%減となった。このようなデータから判断すると、2009年度の国内総生産GDPは、おそらく前年度の15%減と予測される。


 半年前まで活況だった日本の大企業が、この3月期決算では大幅な赤字となる。発表されている経済統計は過去最悪のオンパレードである。戦後これまで何度も不況を経験してきたが、ここまで落ち込みが激しいことはなかった。自動車6社は次々にリストラを行い、とうとう派遣、期間の非正規社員はゼロになった。

 日本経済が瞬時に奈落の底に落ち、ひどい状況になっているのは、米国の金融崩壊だけのせいではなく、日本が組み立ててきたビジネスモデルが崩壊したからである。それはゼロ金利を続けることで円安にして、中国や米国への輸出を伸ばすことで、戦後最大の景気拡大という偽装を喧伝してきたからである。円安から円高になると、魔法が解けたかのように好景気から大不況へと転落が始まった。

 破滅へと向かっている日本経済を再生させるには、政府が総力を挙げて経済対策に取り組むことである。日本と同様に、米国もなりふり構わずゼロ金利政策をとっているから、もはや金融政策をとれる余地はほとんどない。政府が指導するカネのバラマキのような財政政策でも、現在のマクロ経済学の教えるところによれば、その効果はあまり期待できない。ケインズ先生の教える乗数効果があまり効かないというのである。

 日本として残された手段は、?現在の産業構造の中で生産性を一段と上げること、?エネルギーや環境などをテーマとして新しい産業を興すこと、?農業林業漁業のような第一次産業にカネとヒトを投入することである。

 ?については、製造業ではなくて、サービス産業などでの生産性である。?については、省エネ技術のレベルを上げることと、環境負荷の低減技術開発である。?は崩壊しつつある第一次産業の見直しである。これらが動き出すと日本にも新たな産業構造が出現する。ラフな算定では15年後には財政赤字をゼロにすることも可能である。
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