忘れては困る

政治家の発言の重さ軽さ
 「郵政民営化は私が総務大臣のときに私が実施した。忘れては困る。」と昨年9月の総裁選挙で発言していた。ところが、先日の衆院予算委員会では「私は郵政民営化に反対だった。担当大臣は竹中さんだった。忘れては困る。」とまるで反対のことを述べている。

 「忘れては困る」と言いたいのは国民である。さらに「奇人変人という首相のすることに反対できなかった」と述べて、自分が奇人変人のリーダーのもとで閣僚を務めていたことに疑問も持たなかったようだ。


 国民が選挙で選んだわけではない支離滅裂のリーダーのもとで、未曽有の国際的な金融崩壊の立て直しを図らなければならない不幸に日本は直面している。ついにNHKの支持率調査でも20%をきってしまった。朝日で14%と軒並み10%台に落ち込み、1ケタ台になるのも時間の問題であろう。

 これではならじとばかりに、お得意と称する外交で点を稼ごうと、招待されてもいないダボス会議に出かけて大盤振る舞いをしたが、足元を見透かされて帰ってきたのは冷笑だけだった。早くオバマ大統領に会いたいが、相手にしてもらえず、それならばとロシアの大統領と連絡を取ると、サハリン2の稼働式典へ招待されて首脳会談が決まった。

 ロシア側は日本国内の事情を熟知して、餌をまけば食らいつくと踏んでいたようだ。外務省や官邸はこの際、北方領土問題で何らかの進展を期待しているようであるが、ロシア側はリップサービスだけで、玉手箱の中には、「交渉を加速させる」といったような、手垢で汚れた合意があるだけであろう。その裏では技術や経済での援助を約束させられる屈辱外交が待ち受けている。

 来週にはクリントン国務長官オバマ大統領の名代として来日する。自民党公明党の与党内では、内でも外でもこれ以上余計な発言はしないでいただきたいと思っているようだ。
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