財界トップの周辺

風評被害ですむか
 経団連の会長は財界の総理と言われて、その指導力や識見が問われる立場である。その身辺にいる人が脱税で逮捕されたのであるから、会長が「非常に驚いている。長年の友人だが、弁護する気もない」と話したからと言って、それで終わりとはならない。「類は友を呼ぶ」というように、会長も同じ性質の仲間なのだ。


 逮捕者は会長と懇意である立場を最大限に利用して、あたかもキャノンの顧問であるかのように偽装して、1500億円にもなるキャノン大分工場の建設工事に采配をふるい、建設業から得たコンサルタント料を隠していたことになる。

 ゴルフや飲食の接待は、接待する方では何らかの利益を期待しているし、される方も明瞭に約束はしなくても、接待に答えて接待側のすることに暗黙の了解というサインを出すことが通例である。

 財界のトップにいる人が、自分の身辺で行われているビジネスには、たとえ全く無関係であったとしても、そのような地位にある人と知り合いであると言うだけで、取引の相手には無言の信用を与えてしまうことは知っていたはずである。

 大不況の真っただ中にある状況で、政界のトップだけではなく、財界のトップにまで、その地位に相応しからずとの人を擁する日本の先行きに思いを馳せなければならない不幸を国民は背負ってしまった。

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