裁判員制度

裁判員制度の欠陥
 さまざまな課題を残して、この5月からスタートする。米国の陪審員制度は名画「12人の怒れる男」などでよく知られているが、事実認定だけを行い量刑については判断しない。欧州では普通は量刑判断をするが死刑制度はない。日本の裁判員は量刑を含めて判断するが、その中には当然、死刑も含まれる。全くの普通の人が、人の生死を判断することになる。国際的にも例を見ない制度である。
 




 刑事裁判では、裁判の充実と迅速を図るために、2005年から公判前整理手続きが導入されて、殺人強盗など重罪事件でも数日間で審理する。凶悪な犯罪では事実認定や責任能力の有無など裁判官でも判断を下すには長い時間を必要とするケースもあり、無期懲役か死刑かで悩むことも多いという。

 不十分な証拠調べで判決を出せば、冤罪事件を引き起こす可能性もある。逆に、米国でよくあるように、資金力のある有名人は犯罪を起こしても有能な弁護団を結成して、巧妙な弁舌で裁判を有利に展開することができる。

 地獄の沙汰もカネ次第で、悪党でも大手を振って通りを歩く事態も起こりうる。閉鎖的な司法界に市民参加で司法の負担を一般人に追わせるシステムであるが、刑事事件でも凶悪犯罪は除いて、痴漢とか贈収賄、選挙違反などに限定すべきではないかと思う。市民の良識に期待するというが、その良識や常識はほとんどの場合、犯罪事件では新聞やテレビ報道が形成する。だから問題なのである。






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