迂回献金の摘発

迂回献金
 公共事業に関連するゼネコン汚職は、毎回のことであるが、いくら逮捕者が出ても後を絶たない。何故ならば、役人、政治家、企業ともメリットが大きいから、ばれなければいいのであると、さらなる巧妙な抜け道を見つけ出すからである。こうして税金の無駄遣いは永遠に続くことになる。




 話題になっている迂回献金は、つい最近でも日本歯科医師連合会(日歯連事件)で使われた手法であり、事件の背景には自民党迂回献金システムが存在していた。合法的な政党への企業献金であるが、特定の政治家に金が渡らなければ意味がない。そこで、自民党事務局長が企業から指定された政治家に振り分けた事件である。

 閣僚級を含む多数の政治家に献金が行なわれていたが、自民党の議員の過半数が関係していたために、検察は摘発を放棄して、その時の会長代理だけを起訴した。最高裁までが、これを認めて村岡会長代理だけを有罪として事件に決着をつけた。これこそ国家の意思なのであろう。

 おさまらなかったのは村岡氏であったことは記憶に新しい。村岡氏の声は、巨大な壁に向かって吠えた犬の鳴き声のようだった。このような前例があるから、迂回献金は摘発されないという合意が政治家の間にはできていたはずである。それを覆す今回の摘発は、やはり、何らかの国家の意思が働いたと思われても仕方がない。

 政権交代に耐えられない官僚や政治家の意思が、さまざまな会合や私的な会話の中で澎湃として生まれて来て、なんとか民主党の進出を食い止めるための頂門の一針を探していたものと推定される。これが迂回献金摘発となって現れたものであろう。狙われたら避けようがないから、ここは一旦、後退した方がよい。


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