特捜部の記者会見

東京地検特捜部の苦悩
 WBC優勝のことで陰に隠れてしまったが、民主党代表の資金管理団体政治資金規正法違反事件で秘書を起訴した理由について、80分間にも及ぶ異例の記者会見を東京地検特捜部が開いた。「収支報告書の虚偽記載は、国民を欺き、政治的判断をゆがめるものにほかならない」と事件の性質をこのように強調している。
 


  かたや、代表も記者会見を開き「法律通りに正確な事務処理が行われているから、違法性はない」と述べて、代表を継続する意思を示した。建設会社から直接に献金を受けたのではなく、政治団体からの献金として法律通りの処理が行われている事実は確かである。表面上、何ら違法性は見当たらない。

 これが違反とすると、国会議員の70%は法律に反していることになってしまう。すべてを起訴することはできないから、右代表で今回の逮捕劇が行われたようだ。団体からの献金は許されるとすれば、日本の各業種は業界団体を構成していて、ここから政治家に流れる資金も全て違反とすべきであろう。

 代表も秘書も、この団体がどのようなものであるかは知っていたものと思うが、それを立証することは難しい。このような事件で、特捜部の部長と次席が首を揃えてあえて記者会見したことに、検察の苦悩が表れている。

政治資金規正法について「政治資金をめぐる癒着や腐敗の防止のため、政治団体の収支の公開を通じて、政治とカネの問題を国民の不断の監視と批判のもとに置くことを目的とした、議会制民主主義の根幹をなすべき法律」と意義を述べ、異例の教科書的な解説をしている。検察がそのように大上段に構えるほどの法律とは思えない。何故ならば、抜け道がいくらでもあるからだ。

 さらに「われわれが政治的意図をもって捜査することはありえない」とわざわざ断言したことにも、そうせざる負えない事情を感ずることができきる。逮捕の前に首相と検察首脳が接触したとか、元警察庁長官である官房副長官が仕組んだものとかいう噂を消し去ることはできない。確かに、自民党に捜査が及ぶと、内閣は崩壊の危機にさらされてしまう。それは国としては望まないことであろう。


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