副の付くポスト

議会制民主主義の確立
 副大統領、副大臣、副社長、副部長、副学長など副のつくポストは様々であるが、その殆どは窓際的なポストで、居眠りしていても問題は起こらない。米国の大統領の名前はほとんどの人が知っているが、副大統領は知らない人が大部分である。




 「捜査は自民党には及ばない」と述べたオフレコ懇談での発言で国会や記者会見で追及された内閣官房副長官の姿が、クローズアップされた。官房長官は大臣で国会議員であり、毎日のようにテレビに姿を現しているからよく知られている。3人の副長官のうち2名は国会議員であるが、もう一人は官僚の最高ポストとして副長官がいることはあまり知られていない。

 各省庁の事務次官は官僚の最高ポストである。その次官を集めて、内閣の閣議にかける議題を整理する会議の親分が、この官僚副長官である。いわば、霞ヶ関の官僚の最高のポストということになる。閣議決定というのは、各大臣が内容もよく見ずに署名して終わることをいいことにして、悪知恵にたけた次官連中は、自分たちに都合のよいように、文章を変更することはしばしばあった。

 警察庁長官上がりの副長官が霞ヶ関の要望を一身に担って、内閣を動かしている姿が想像できる。国家公務員の幹部人事一元化のために新設する「内閣人事・行政管理局」の局長ポストをこの副長官が狙って暗躍していることが報道されている。すでに既定路線のようである。まさにこれで官僚指導内閣の誕生になるであろう。

 民主党が政権につくと、米国なみに局長以上のポストは見直されることに恐れをなした霞が関官僚たちはが、昨年からいろいろと、ことあるたびに対策をねり、総選挙前に頂門の一針を下したことも容易に想定される。議会制民主主義を守るためにとかいう大義名分の陰で、官僚支配国家確立のために力を結集している姿は早く一掃されるべきである。


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