北のロケット技術

ロケット技術の流れ


 1930年頃に、ドイツでは宇宙旅行を目指してロケットの開発が行われていた。その流れで、攻撃兵器としてロケットを始めて供用したのはナチスドイツであった。V2ロケットは、第二次世界大戦中にドイツが開発した世界初の軍事用液体燃料ロケットで、バルト海沿岸のペーネミュンデで、秘密兵器として開発がすすめられた。ベルギーやフランスの都市に2000発、海を越えたロンドンなどにも1500発撃ち込まれた。


 大戦後、米国とソ連V2ロケットの開発にあたった技術者と機材を奪い合い、それぞれ自国に持ち帰り、ミサイル開発の基礎を作った。大陸間ミサイルの開発は必然的に人工衛星や月や惑星探査ロケットへと進化していった。旧ソ連の技術の流れをくむ国が中国、北朝鮮、イランであり、米国の流れをくむ国は欧州、日本、イスラエル、インドなどである。....



 先端技術面ではかなり遅れている北朝鮮が核開発とロケット開発に力を入れている背景は、対内的には国内での引き締めであり、対外的には軍事力の誇示であろう。開発に使われている工作機械や素材は海外、特に日本から持ち出したものと推定されている。2003年5月の米上院公聴会で、北朝鮮から亡命した元技官が「北朝鮮のミサイル部品の90%は日本製」と証言した上で、「日本製機器は2、3週間ごとに連絡船で運ばれた」と説明している。....



 日本からは、精密工作機械、コンピュータ、ウラン濃縮用真空ポンプ、周波数変換機、移動式発射台に転用されるトレーラー、固体燃料用ジエットミルなどほとんどすべての道具や部品が、台湾、東南アジア諸国を通じて北朝鮮に持ち込まれているものと思われる。そこまで世話になっている日本に対して、日本上空通過がわかっているのに、事前通告なしに打ち上げるとは、まことに無礼で卑劣な国である。


http://iiaoki.jugem.jp/