孤立した日本外交

ミサイルで孤立した日本


北朝鮮弾道ミサイル発射に対する国連安保理での交渉で、当初は日本の非難決議提案に対して米英仏は同調していたが、北朝鮮に対してそれぞれに利害対立関係が異なることから、米英仏は中露の拘束力の弱い議長声明へと流れたようだ。米国は決議を求める日本に共同歩調を取ってきたが、交渉妥結のため土壇場で日本と距離を置く姿勢を鮮明にした。あれほど大きくこぶしを振り上げていた麻生外交の失敗であろう。



北朝鮮のミサイル技術はもともとロシアと中国が指導して、始められたものであるから中露はあからさまには応援はしてはいないが、何かとつながりがあることは明白であろう。北朝鮮と国交を持つ英仏は、北の山岳地域に眠る希土類元素などの豊かな鉱物資源開発に多くの関心を寄せている。




 すでにならず者国家指定を解除した米国は、口先では北朝鮮を批判しているが、やはり北朝鮮の資源や貿易には興味があり、ここ10年間で重油や食糧など1500億円も援助している。国際関係はゼロか100ではなくて、口では批難しておきながら、裏ではお菓子を配っているような構図はどこにでも見られる。



 本当の外交は、裏と表を巧みに使い分ける技量が問われているのだ。6カ国協議参加国の中で、北に対する援助を停止し、独自で制裁を続けているのは日本だけである。巧みな外交戦略を使わないと拉致問題も北の体制が崩壊しない限り永久に解決しない。


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