弱点をさらした外交

周章狼狽


 先週はテポドンに明け暮れた日本列島だった。まるで1853年のアメリカ艦隊襲来に匹敵する日本政府の周章狼狽ぶりだった。首相の命令で自衛隊ミサイル防衛(MD)システムで迎撃態勢をとっていたが、これで安全が保たれるなどと信じた人はほとんどいないと思う



 慌てて自衛隊が出した発射情報が誤報だったとのニュースは世界を巡り、日本の監視体制は信頼できずとの、最悪のメッセージだけが残った。この重大な失態に対して、誰も責任をとらない自衛隊の役人体質も我慢がならない。この程度の失敗は役人にとっては、当たり前のことで通用する感覚なのであろう。そういえば、逮捕された前の次官も、いずれは防衛省関連の企業に就職するようだ。....



 今回のミサイル騒動で、日本の弱点がいろいろと国際的に暴露されてしまった。まさに「太平の眠りを覚ます飛翔体、たった1本で夜も眠れず」のようであった。日米同盟で外からの攻撃には米国が守ってくれるものと、思っていたが、自分のことは自分でしなさいと、米軍から言われたようなものである。....



 最悪の事態は、NYの国連安保理外交にあった。米国を頼りにして、北朝鮮に対して強硬決議をモノにするつもりであったが、見事に米国から梯子を外されてしまった醜態ぶりである。国際舞台は裏舞台で動くことは外交の常識であるが、これすらも日本外交にはできていない。戦いはともかく、マキアベリの言うとおり最後は外交で勝てばいいのである。すべて弱点をさらけ出した政権は、これからも全く信用できない。


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