監督冥利

楽天監督




ゴルフで長いパットが偶然に入ることがあるが、短いパットを外せばその原因は明確である。勝負事はたまたま運に恵まれて偶然に勝つことはあるが、負けには負けた必然的な理由がある。野球やサッカーなどのチームプレーでの監督の果たす役割は、それほどは大きくはないと言われている。選手起用やプレー中での采配のミスで試合を失うことは多いと思うが、監督の采配で勝つケースは限られているようだ。








楽天の監督はこの春に監督として通算1500勝を挙げた名監督と言われている。しかし、これまでに1500勝を達成した4人と比べると、唯一負け数の方が上回っている。試合後のこの人の談話が時々放映されるが、勝ち試合はすべて監督の采配、負け試合はすべてその采配に応えなかった選手のせいというコメントで、あまり感じの良いものではない。





 先日も2点リードしている場面で、バントを3回続けて2点を重ねたことに対して「ああいう点の取り方、大好き。足が速いって見ていて楽しいね。小技で点を取ると、監督冥利に尽きるっていうか、やっていて楽しい」と自画自賛していたが、逆転したわけでもなく試合を決めたのでもないのだから、監督采配が冴えたと言われても興ざめであろう。





 万年最下位の楽天を何とか上位にしている功績は認めるにしても、好調な投手の使いすぎで墓穴を振ることに注意が必要である。本年度で契約の終了する監督があまり自分の成績ばかり考えると、往々にして采配を誤る懸念がある。同じことは企業経営でも起こりうる。


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