補正予算

GDPの3%の景気対策
GDPの3%に相当する15兆円の補正予算という財政支出の効果は、残念ながらその30%ぐらいしかないと予想されている。何の知識も見識もない首相の下で、経済をとり仕切る3重要ポストを握った大臣もまた、役人の言う通りにバラマキ予算を強行するつもりのようだ。

大規模な財政支出に対して、それと同等、あるいはそれ以上の効果が見込める経済対策を打つべき責務がある。これでは国の借金が増えることだけは確実で、その分は国民への増税として跳ね返ってくる。だから、天下り財団、需要の低い道路や鉄道、マンガ博物館のような箱物に予算を付ける余裕はないはずだ。

 輸出依存構造から内需依存への転嫁は、掛け声だけでは実現は難しい。何故ならば、所得水準が10年以上も低下し続けているからだ。将来への不安に備えて財布の紐を締めるのは当然のことであろう。政府が今、するべきことは明白である。内需拡大の経済構造にすることだ。そのためには税制、年金、雇用、介護を含めて、国民が安心して消費ができる社会システムに転換するだけである。


 具体的には、国民の所得を引き上げるために、法人税を減税して雇用環境を改善することだ。さらに、年金システムを税方式に移行して国民の年金不信をなくすことである。所得が向上すれば、所得税が増えるし、消費も拡大するから法人税の減税分を補って余りある。ここにこそ補正予算を投入すべきことなのだ。

 年金制度の改革で、将来への不安が解消されれば、これも消費拡大へつながる。企業にとっても、減税分だけではなく、年金負担も減り、それだけ雇用水準の改善に結びつけることができる。ハコモノがどうしてダメかと言うと、投資したカネがそこで停滞してしまうからである。

 おカネは天下の回りものと江戸時代でも言われていた。うまく金を回すことで、社会システムや経済構造が安定する仕組みを生み出すことこそ政府の仕事である。

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