骨なしの方針

骨太の方針2009

 2011年度には基礎的財政収支を黒字化、即ち、収入に見合った予算を組むことを目標としてきたはずだが、これを2019年度まで8年先に置き換えたのが、骨太の方針2009という。これでは一体どこに骨があるのか分からない。その上に、消費税率をこの年までに12%までに引き上げることを前提としている。これが喉にかかった骨と理解できる。


 金融破綻という波をかぶった事態では、計画の練り直しは認めざるをえない。財務省の若手が、税収と歳出を入力して、パソコンでいろいろとシミュレーションして出てきた結果と推定される。この程度のことは、管理人のところの学生でも卒業論文で試算していることである。問題は、この結果をそのまま受け入れるのではなくて、政治がどのように切り込んでいけるのかを聞きたいのである。


 少なくとも骨太と名を付けるのであるから、国家公務員の定数合理化計画の策定などという、ありきたりの対策ではなく、霞ヶ関をすべてゼロにして、必要なものだけ残して再編成するくらいの意気込みが必要であろう。ゼロにはしないまでも、行政の仕組みやシステムを根本的に組み替えることで、無駄をなくす努力をすべきである。


 成長力を強化したいというが、米国のまねをしたような太陽光発電エコカーの普及程度ではなく、GDPを増やすには、教育システムの抜本的な改革、新産業システムの醸成、効率的な食糧増産システムなど、いくらでも挙げることができる。財務省の秀才たちには、もはやこの程度の骨なし方針しか作れる能力がなくなってしまったようだ。
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