世襲政治家

世襲のこと

 議員定数削減とか、世襲制の廃止とかいろいろと選挙対策の目玉にする案が出ていたが、すべてうまく運ばずに、改めて自民党総理の指導力が問われている。世襲制についての反対論に「息子や娘の中には親よりも優秀なのがいる」からという意見がある。一見当然のことと聞こえるが、歴史的にみても、傑出した指導者の2世3世で親を越える人材はほとんどその例を見ない。

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 山岡荘八氏の大河小説「徳川家康」に、秀吉のセリフとして「わが子に天下を渡したいと、みな一度はそう思うが、天下を渡そうにも、器でないものには渡せぬ道理じゃ」と晩年の秀吉からは想像もつかないが、最も力のあふれた時に語った言葉がある。続けて「天下は天下のもの。器量次第で誰でも取るがいいと、常々口外していたはずだ」と言いながら、子ができると「この子に渡してやれたらなどと、太閤ほどの人物が、何とケチなことを考えたものか」と石田三成に語る場面がある。



 まさに、親の七光ではなく「器量次第で誰でも取るがいい」というのが、本来あるべき議員の座である。しかしながら親から見ると、まさに秀吉の言うとおり「この子に渡してやれたら」とケチな発想が出てくることも事実である。政治家の家系ということから、これが家業であるというが、家業とは商売のことであり、政治を商いとしている人は政治家ではなくて、政治屋となる。本来、政治は職業としてするものではなく、ボランティア活動として奉仕の精神でするものであるから、世襲禁止は職業選択の自由をうたう憲法22条に違反するものではない。
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