生物の種類&多様性

生物多様性の価値

地球上から姿を消す生物が増えている。この原因が地球の温暖化によるものなのか、あるいは人類が生み出した化学物質によるものなのか分からないが、おそらく両方が関係しているものなのであろう。品種が絶滅すること、同じ品種でも種類が少なくなることの行き着く先は、人類の生存空間も存在しなくなることを示唆している。




 この言葉は1980年代に米国で生物多様性 (biodiversity)、生物学的多様性 (biological diversity)などとして誕生したが、さまざまな種類の生物が生存している姿の重要性が国際的に指摘されたのは、1992年にリオデジャネイロ市で開催された環境と開発に関する国際連合会議地球サミット)であった。

 この会議で生物多様性は次のように定義された。すべての生物、すなわち陸上生態系、海洋その他の水界生態系、これらが複合した生態系その他生息又は生育の場のいかんを問わないものの間の変異性をいうものとし、種内の多様性、種間の多様性及び生態系の多様性を含むものとする。

 92年の会議では温暖化防止を目的とした気候変動枠組み条約と生物多様性条約は双子の条約として締結されたのであるが、温暖化防止に比べて、内容が学術的で地味なために、各国ともその取り組みが遅れている。特に日本では環境省でもこの関連の予算は160億円と、道路等とは比較にもできないほど少ない。

 2010年には名古屋で生物多様性条約の第10回締結国会議の開催が決まっている。日本も批准しているこの条約では「2010年までに生物多様性の損失速度を顕著に減少させる」という目標を掲げている。日本として、実際の取り組みをどう進めるか省庁間の連携すら取れていない。食糧の60%を輸入に頼っているが、世界各地の多様な生物の恵みの恩恵そのものとも言える。首相をはじめ政治家たちの、この問題に対して関心の薄さが心配されている。

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