地方分権

地方の幻想

 タレントから知事になってみたが、中央支配のお国では道路一つとっても、何もできなく、せいぜい地元の物産のセールスマンしかできないことが分かった。それでは人気のあるうちに、中央に進出して地方のために仕事をしたいと考えることは、彼にとっては正当な理由かもしれない。しかし、任期途中での職場放棄は安倍さんや福田さんと同じで、県民に対する裏切り行為であろう。


 これに悪のりして、同じタレント出身の大阪府知事地方分権の推進を目指して政治グループを形成したいと述べている。また、タレントまがいの横浜市市長まで乗り出し、賛同者を募って地方分権党を作る話まで出ている。「国会議員を擁する政党の意味ではなく政治団体で、ここから国会議員が出ることになってもいいんじゃないか」という程度のことみたいだ。


 地方分権とか税源移譲という言葉は、小泉さんの構造改革幻想から出てきたもので、結果は250兆円も借金を増やし、全部合わせて1000兆円もの財政赤字を作ってしまった。この理由は、意識の低い地方の首長や議員、また職員たちが交付税として委譲された税金を野放図に浪費したからである。


 中央に意識に高い人が揃っているということではなくて、中央よりも住民行政にたけた人材が地方にはあまり育ってはいないからであろう。かくして住民不在の地方分権は地方幻想に終わる可能性が高い。タレント首長の出たがり思惑ばかりでは、決してそこの住民は幸せにならない。

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