俺は解散を決められるか

解散は誰が決めるか

昨年9月に就任後すぐに解散するはずだったが、延ばしに延ばしていよいよ煮詰まってきた。「解散は俺の手でやる。麻生降ろしが起きたら解散する」と強がっているが、党内からは「この政権が終わっても、自民党政権が続くことこそが名誉ある決断」などと牽制されている。何だか最下位のプロ野球チーム内で、監督の首を挿げ替えるような話になってきた。


ところで、首相が解散権を持っていると勘違いしている人も多いと思う。しかし憲法のどこを見ても、首相が解散権を持つとは規定されていない。憲法で解散について関係する条文は次の二つである。

第7条 「天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行う」の第3項 「衆議院を解散すること」にある。実際、議長はこれまでの解散に際して「憲法第七条第三項により衆議院を解散する」と宣言してきた。


 次に、第69条「内閣は衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない」とあるが、現状ではこの解散はない。従って、第7条に基づく解散ということになる。天皇は「国政に関する権能を有しない」し、憲法3条で「天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要と」するとあるから、7条の「内閣の助言と承認」を拒否できない。


 その「助言と承認」が「衆議院を解散する」だったら自動的に「衆議院を解散すること」となる。解散を決める主体は内閣である。主語は内閣であって内閣総理大臣ではないから、首相さえその気になれば解散できるわけではない。第66条には「内閣は内閣総理大臣とその他の国務大臣でこれを組織する」とあるし、内閣は一体であることから、解散詔勅には大臣全員の署名が必要とされる。つまり、誰か反対する大臣がいれば、その人の首を切らないと首相は解散できない。郵政解散では、小泉さんは反対する大臣の首を切った。

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