自動車社会の終焉

トヨタ自動車の新社長
 20代はこれまでは車の最大の購買層であったが、平均年収が200万程度で、20%は資産ゼロとなっているから、若者の人口減少に加えて、もはやこの世代は車には興味がなくなってしまったみたいだ。30代や40代でも、必要な時にはクルマはレンタルするものとの意識が定着してきているし、カーシェアリング会員が増加している。生活スタイルの変化に加えて、高騰するガソリン価格と経済不況で、いくらハイブリッドや電気自動車にしても、自動車の時代は日本では終わりが見えてきたみたいだ。


 石油ショック前後に生まれた人たちが60歳になる2030年頃には、果して安心して年金をもらえる状態になっているのか不安要素があるから、おそらくこの世代を境にして、物事の価値観が大きく変わってきているものと思われる。それ以前の世代を農耕民族型の定着世代とすれば、それ以降の世代は騎馬民族型の移動世代となっているように思う。


 定着型では、結婚して車とマイホームを持つことを個人生活の価値観としていた人が多かったが、移動型では、モノを所有するという概念が薄く、すべてレンタルで済ませて、カネがあるのなら生活をエンジョイすることに使うことになる。ここ10年くらいのスパンで物事をざっと見れば、まずは独身者の増加、結婚年齢の高齢化、車は必要な時にはレンタカーですまし、住まいは貸しアパートという傾向が顕著になっている。


 トヨタ自動車の創業者系列社長の就任演説を見ていて、何かもう一つ迫力のなさが気になっていたが、要するに、過去の栄光の復活を夢見ているだけだからであろう。このままだと、GMと同じように、時代の変化に取り残された姿をさらすように思える。海図なき航海というような文学的表現や頑張るという精神力だけで通用する時代は確実の終わったのである。

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