長くて暑い夏

ポツダム宣言からの10日間
 64年前の7月26日に米英支ソの四ケ国は、日本に対して13条から成る無条件降伏勧告の宣言を発した。受け取った日本側では、受けるべきかどうかの小田原評定をしているうちに、あっという間に時が過ぎ、8月6日の広島原爆投下、8日のソ連参戦、9日の長崎原爆投下を許してしまった。そして10日になってようやく受諾表明を行ったが、為政者の意思決定の躊躇は国民に多大な犠牲をもたらした。

 昨年9月に衆議院解散を前提として首相に就任したが、この人も解散時期は自分で判断するといいながら、最高権力者の椅子の座り心地良さに満足して、なかなか意思決定ができなかった。最後は周りからの示唆を受け入れて7月21日に解散したが、選挙期間を憲法で許されている40日としたから、8月16日の公示前に、もはや選挙は終盤戦の様相を呈している。

 判断のぶれは、雇用、医療、年金など国民生活にとてつもない犠牲をもたらした。政権担当能力とか責任力とか自民党は宣伝しているが、口を開けば相手をこき下ろすばかりでは、その能力は両方ともないことを自ら表明しているみたいである。新聞や週刊誌のおおかたの予想では、政権政党の歴史的な敗北という結果になるようだ。

 政権政党なら、残された30日間で、この状況を逆転する大わざが残されている。自ら身を投げ出して有権者の同情票をひくか、相手の弱点を徹底的に攻略するか、日本の外に危機的状況を作り出すことなどが考えられる。1993年の自民党敗北の時と同じで、不順な天候、農作物の不作など不快なニュースが続いているが、せめて国民は間違いのない判断をしたいと誰もが考えている。
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