政治における情報格差

情報格差の消滅

 囲碁や将棋の世界で20代や30代の若い層が目立ってきたのは、パソコンの発展と時を同じくしている。それ以前は経験と勘を積んで、ある年齢に達すると初めてトップになることができた。パソコンは経験や勘という情報格差を一挙に縮めてしまったから、若い世代も対等に力を発揮できることになった。

 


 この現象はゲームの世界だけではなく政治の世界でも起きている。総選挙の前哨戦となった千葉や奈良の市長選挙都議会議員選挙でも30代の若い世代の活躍が目立っていた。今回の衆議院解散を機会に引退を表明した長老議員は自民党を中心として30名近い。長老支配の終焉は、ネット普及による情報の平等化により、誰でも情報を手に入れことが可能となったからだ。


 格差社会の中で情報だけは格差がなくなった。中央省庁が情報を独占して、官僚を操る自民党の長老が派閥をまとめて強固な後援会を組織してきた。政治力の背景にはこのゆな情報格差があり、経験と勘、すなわち年齢と重ねないと政治力がつかなかったのだ。

 ネット社会では経験などはなくても、情報量と仕事をこなせる能力があれば、後はやる気と情熱で政治などはできるようになった。オバマ大統領は選挙戦だけではなく、ワシントンでの政治力でもネットの利用にたけた新しい世代の指導者である。日本にもこの種のタイプのカリスマ的指導者が期待される。
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