党首討論の後で

礼儀知らずな自民党党首

21世紀臨調の主催で8月12日に自民党民主党党首討論会が開かれた。目的は「来る総選挙を政策本位の歴史的な政権選択選挙とし、国民に判断材料を届けること」である。討論形式は麻生首相鳩山代表の冒頭スピーチ後、第三者を交えず前半および後半で攻守ところをかえて行われた。

内容はこれまでにも、マニフェストやそれぞれの演説でしてきたことの繰り返しで、あまり新しいことはなかった。それよりも、討論終了後の両者の態度に、明らかな差が認められた。鳩山氏が終了後、アメリカではよく見られるように、握手をするつもりで首相の方へ歩みかけたが、首相はこれには答えず、顔を向けることもせず、背中を見せて退場した。鳩山氏はこれに対して、礼儀正しく頭を下げていた。

 討論ではいくら激しい応酬をしても、別に個人的な喧嘩をしているわけではないから、終わったらにこやかに握手をする風景は当然のことと思う。これを受け入れようとしなかった首相の態度は、感情をむき出しであり、これではいくら「責任力」などと叫んでみても、信用する気にはなれない。

 このような首相の態度を見ていると、これまで彼が行ってきた、隣国の人や部落民に対する差別発言など思い起こさせるものがある。基本は競争相手に対する礼儀作法であり、人を差別したり、相手に不愉快な気分を与えたりするようでは人間として、全く信頼するわけにはいかない。
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*動画の「主催者からの質問」の最後に注目。

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