霞が関文学

霞が関城の攻略法

 夏の霞が関では、官僚たちは着々と来るべき政権交替に向けての城壁の補強や罠を仕掛け始めていることが、ちらちらと報道され始めている。何しろ1868年の明治維新以来、140年間にわたり、建物などのハードだけでなく、仕事のやり方やシステムを含めたソフトでも霞が関城を強固に構築してきたのである。



 攻め込む民主党軍では、閣議にかける事案を事前にチェックすることで日本を実質的に支配してきた次官会議を廃止するとか、城壁内に政府の出先機関を設けるとか、システムそのものを改造することから手をつけることが発表されている。すでに城壁内では、襲ってくるであろう爆弾に備えて、人事や組織改編などで着々と防御を構築し始めている。



おつむの程度からすると、どう見ても国民に選ばれた議員たちよりも、城壁内の面々ははるかに優秀なのかもしれない。たとえば、ここから発信される法律などの文章は、頭脳明晰な官僚が作成したとは思われないほど、一般の人には判りにくい。一つの文章の中に、さまざまな仕掛けが挿入されているからだ。これらを総称して「霞が関文学」と言うそうである。



 よくいえば、遭遇するであろうあらゆる場合にも通用するように、その文章が練られている。悪く言えば、肯定ともとれるし否定ともとれるものになっている。そのすべては、自分たち官僚には絶対に責任がかかってこないようになっている。



それではこの文学の手っとり早いチェック方法をあげてみると、まず「など、等」で終わる文章の「など、等」の中身をすべて明らかにすることである。そしてよく使われる表現として「原則として」とか「ただし」という文言があるが、これをすべて外してみることである。そうすることで、文学の内容が鮮明となってくるし、官僚の意図を読み取ることもできる。霞が関文学を理解するための攻略本を準備すべきである。
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