国民審査

あなたの1票は1票未満
 最高裁判所は長官及び14人の裁判官により組織されている。憲法第79条により、長官以外の裁判官は内閣が任命する。長官は内閣の指名により天皇が任命する。要するに、すべて時の内閣が実質的に任命者である。任命後、初めて行われる衆議院総選挙で国民審査に付される。

 今回の選挙で審査に付される裁判官は9名であることが、各家庭に配布された国民審査公報に記載されている。議員選挙の付録みたいに実施される審査みたいで、この公報を読んでから審査に臨む有権者はせいぜい2%と報告されている。

 投票所で配布される審査用紙に、何も記入せずに投票すると信任したとの意思表示となる。本当はそうではなくて、何も記入しないということは審査を放棄したはずである。ここのところに、この審査のゴマカシがある。だから戦後、この制度が導入されてから、信任率はほぼ80%前後となっていて、不信任となった裁判官はいない。

 ところで、裁判官、検事、弁護士になるには司法試験に合格しなければならないが、最高裁の裁判官は内閣が任命すれば誰でもなることができる。このため、官僚の天下り先にも利用されている。今回審査対象となっている9名のうち、労働省と外務省から2名の天下り官僚がいる。さらに2名は大学を出てから直接に法務省に入り法務官僚となった裁判官である。法務官僚も天下りとすれば、実に4名が天下り官僚となる。

 もうひとつ重要なことは、民主主義の基本に関する多数決原理を受け入れない裁判官がいることである。たとえば、東京1区有権者の1票は、実は0.5票にしかなりえない。人口に比例した議席配分がなされていないからである。全国的には国民の過半数の票は1票未満である。

ここの裁判官には意見の相違はあるが、最高裁は全体として「1票の不平等を容認」しているのである。民主主義の基本原則を受け入れていない最高裁の裁判官は信任しないのが妥当を言わざるをえない。管理人は東京18区であるが、ここでの1票は、わずか0.53票しかない。あなたの票はどの程度の重みか調べて見よう。
http://www.ippyo.org/
http://www.courts.go.jp/saikosai/
http://iiaoki.jugem.jp/