科学技術予算も例外でない

科学技術政策を正せ
 ものづくり大国の日本にとって科学と技術の開発は欠かすことはできない。これを計画から予算まですべてを牛耳っているのが政府直属の総合科学技術会議である。現在の構成メンバーは7名の閣僚と8名の有識者と称する学会のボスから成り立っている。実際の審議の模様は知る由もないが、他の同様の政府機関の会議から類推すると、要するに、科学技術関係の官僚が学会や産業界のボスから集めた情報を基にして、政策と予算案を作成して、その案をこの会議で承認するだけのものであろう。



 1996年に決まった科学技術基本計画は、第1期(1996〜2000)の予算総額は17兆円、第2期(2001〜05)は24兆円、第3期(2006〜10)は25兆円で総額66兆円という巨額なものである。科学技術は日本の未来を切り開く道具であることは論をまたない。ところが研究開発というものは、予算をつけるから何かを開発しろと命じられても、そう簡単に良い研究ができるものではない。これまで配分された予算で何か特別な成果が出ているという話も聞かない。


 パーツを集めて組み立てれば200万円程度でできるものが、金を使えと言うので1億円で最新の装置を購入したなどということはざらにある世界だ。新政権を前にして天下りなどの駆け込みと同様に、先の補正予算で総額2700億円の先端研究助成基金を配分する研究者30名を、この会議で決定した。10倍以上の応募があったが、素粒子や宇宙などの基礎研究は別にして、すべて有名人ばかりである。

 これにはわけがあり、配分は内容ではなく、学会のボスや大学の偏差値で決まり、公募というのは形だけであろう。他の予算と同様に、新政権がこの予算についても差しとめもありうるとしたことは当然であろう。まずは、総合科学技術会議のメンバーを一新することである。
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